「技」について・・・突き技13種

今回は「技」についての続編です。

今回は高野先生が書いている50種の技の中から【突き技13種】をご紹介いたします。

いくつイメージできますか?

◆突き技13種

1.諸手突
  此方諸手にて敵を突く。(前突)

2.片手突
  此方片手にて表又は裏より敵を突く。

3.二段突
  双方下段或いは中段にて構え居るを、此方より右小手を撃たんと攻め、
  敵下段に応じ防ぐところを裏より突く。

4.切落突
  双方中段にて守り居る時、敵より突き来たり或いは撃ち来たるを切り落し諸手にて突く。

5.表突
  双方右と同じ構にある時、敵の太刀を下段に下ぐるところを見すまし
  左片手にて敵の左方即ち表より突く。

6.裏突
  構え同前、敵の太刀を右より押さえ諸手にて突く。

7.入突
  双方下段の構えにて守り居る時、敵より突き来たるを手を返して引き入れ突き返して突く。

8.小手押前突
  敵中段我れ下段にて守り居る時、敵の右小手を撃ち、
  表より敵の太刀の鍔元を押え其の儘突き込む。

9.出頭突
  敵下段我れ中段にて守り、敵より進まんとする頭を、
  此方諸手にて太刀を真直に向こうへ伸ばせば、
  敵より自然に突き掛るをいふ。

10.上段変化突
  敵下段我れ左上段にて敵より進まんとする頭を、
  此方上段よりその太刀を誘い引入れ突く。

11.捲落突
  双方下段中段などにて守り居るを、
  敵より我が面に撃ちくる時、右或いは左へ巻き落とし突く。

12.抜突
  双方同前の構にて守り居る時、敵より我が面へ撃ち来るを、
  此方は左又は右斜に体を開き敵の太刀下を潜り抜け、敵の咽喉部を突く。

13.突返突
  突き方右と同じ構にて守り居る時、敵より此方へ突き来るを
  手を返して刃方を敵の左に向け突き返し突く。

とかく過剰に意識してしまいがちな突き技ですが、「突き」を特別な技だと思わずに、面や小手や胴などと同じ感覚で扱えるようになりたいものです。そのためには、他の技と同様、余計な力を抜いて、「すぱっ」と突けるように稽古をしましょう。

突かれる方も、突かれることで「驚」や「恐」の心にならず、しっかりと相手の突きを摺り落とすなどして、すぐさま、ひるまず次の技を繰り出せるようになりましょう。

突きをかわすと考えるのではなく、相手の剣先から中心線を守る意識でいると
比較的落ち着いて捌けるかもしれません。お試し下さい。

戸締り用心火の用心、一日一善。
健やかな精神は健やかな肉体に宿ります。さぁ、稽古しましょう!
それでは、また土曜日にいつもの道場でお会いしましょう。

この記事を書いた人

剣道錬士六段 ザイツゴロウ