「技」について・・・胴技7種

今回は高野先生が書いている50種の技の中から、
その最後となる【胴技7種】をご紹介いたします。
いくつイメージできますか?
ちなみに、居り敷き胴とは絶ちの形7本目の胴の様に
形膝を曲げながら胴を撃ち最終的には地面に膝をつく撃ち方です。
立胴が、今で言う抜き胴ですね。


◆胴技7種
1.摺上胴
 敵上段又は中段等に構へ、我は中段又は下段に構へて守り居る時、
 敵より我が面へ撃ち込み来るを摺り上げ居り敷きながら胴を撃つ。
2.居敷胴
 双方下段、中段等に構へ守り居る時、敵より我が面へ撃ち込み来る。
 その太刀に構はずして迅速にすれ違ひつつ居り敷き胴を撃つ。
3.立胴
 構へ同前、敵より我が面へ飛び込み手を伸ばして打ちくるを、
 その太刀に構はず如何にも早く胴に抜け、居敷きを為さず立ちながら撃つ。
4.片手面胴
 構へ同前、敵より突き来るを体を敵の左に開き、
 片手にて敵の左半面を撃ち又は手を返して敵の右胴を撃つ。
5.面小手胴
 中段の構にて守り居る時、敵中段より下段に下げんとする所を
 一歩踏み込み正面を撃ち、一歩引きて小手を撃ち、
 左足を踏み出し手を返して敵の右胴を撃つ。
6.鍔競胴
 双方鍔迫り合となりたる時、隙を見て立ちながら胴を撃つ。
 敵を押す時敵もまた押し返す。その伸びたる手の下より撃つことあり。
 これは敵の力を利用する撃方なり。
7.小手懸胴
 敵上段我は下段中段等にて敵の小手を撃たんとする色を示せば
 敵その太刀を避けんとする所を迅速に飛び込み撃つ。
胴技は、本当に心が練れていないと出せませんよねぇ・・・。
よく「昇段審査では胴は撃たない方がいい」といわれたりしますが、
色々な話を整理してみると、どうやら
「完璧な胴技が出せないなら撃たない方がいい」と言うことのようです。
逆に言うと、機会を捉え、刃筋正しく胴技を出せるなら、
昇段審査でも評価は高いということです。
小手面胴などは今でも十分取り組んでみる価値がありそうですね。
技の連結と言う観点からも興味深いです。
戸締り用心火の用心、一日一善。
健やかな精神は健やかな肉体に宿ります。さぁ、稽古しましょう!
それでは、また土曜日にいつもの道場でお会いしましょう。

この記事を書いた人

剣道錬士六段 ザイツゴロウ