「技」について・・・面技18種

今回は「技」について。
剣道の技にはどれくらいの種類があると思いますか?
古流までいれると、それこそ数え切れないほどの技がありますが、
明治維新後に「剣道」として体系化された後だけを考えると、
例えば、高野佐三郎範士の「剣道」には「手法五十種」として
面技18種、突き技13種、小手技12種、胴技7種が紹介されています。
結構多いですよね(*^_^*)
私が始めて四段の審査を受けた時、
審査委員長が立合審査後の講評で
「剣道には50種類ほどの技があるといわれています。
それなのに、みなさまの立合いは、
あらかじめ面と小手面しか打たないと決めてかかったようなものばかりでした。
このようなことでは、とても四段の実力を認定するわけにはいきません。
もっと剣道の技の術理について研究してください。」
という趣旨のことを言われたのを聞いて、
そんなにあるのかと驚いたことを思い出します。
ちなみに、その時の審査では合格者は2割前後しか出ませんでした。
そこで、今回は高野先生が書いている50種の技の中から、
【面業18種】をご紹介いたします。


いくつイメージできますか?
◆面技18種
1.攻め込み面
  敵を下段、中段、又は上段等にて攻め込み、隙間次第面を打つ
2.出頭面
  双方下段、中段等にて守り居り、敵の進まんとする出頭の面を打つ
3.正撃面
  敵中段に構え居りて下段に直す所を正しく面を打つ
4.半身撃面
  我上段、敵下段等にて敵より突き来るを、此方は敵の左若しくは右に開き、
  半身になりその太刀を外づし右若しくは左片手にて敵の半面を打つ。
5.諸手正面
  双方下段、中段等にて守り居るを、敵我が右小手へ打ち来るを、
  体を敵の左に開き我が小手を外づし半身体となりて打つ。
6.抜面
  双方下段中段等にて守り居るを、敵わが右小手へ打ち来る時、
  左足より一歩退き、受け留めずして抜き、其の儘諸手にて太刀を半振り上げ打つ。
7.諸手上段面
  敵下段或いは中段等に守り居るを、我上段より隙を見て面を打つ。
  場合により敵の小手を打つこともあるべし。
  この打ち方は敵の出端を打つを可しとす。
8.片手上段面
  敵下段、中段などに守り居るを、此方右又は左の片手上段より面を打つ。
  時宜により小手を打つこともあるべし。
9.左構相上段面
  双方ともに左上段にて守り居る時上段より面を打つ。
  時宜により小手を打つことあるべし。
  機熟するを待ち。敵より打ち来たらんとする所を打つを可しとす。
10.右構相上段面
  彼我同じ右構相上段にて守り居る時上段より面を打つを言う。
  時宜により小手を打つことあるべし。その他前同断。
11.摺上面
  双方下段又は中段に構えて守り居る内、敵より此方の面に打ち来るを
  上段に摺り上げ面を打つ。
12.応じ返し面
  双方右と同じ構えにある時、敵より此方の面に打ち来たるを受け流し、
  其の儘応じ返しに面を打つ。時宜により小手を打つ。
13.捲落し面
  双方右と同じ構えにて守り居る時、敵より此方の面へ打ち来たるを、
  此方は右又は左に捲き落とし面を打つ。
14.張面
  双方右と同じ構えにて守り居る時、此方より敵の太刀の半を張り其の儘面を打つ。
15.押小手面
  双方右と同じ構えに守り居る時、敵より此方の面へ打ち来たるを、その右小手を押さえ、
  其の儘一歩踏み込み手を伸ばし面を打つ。
16.攻小手面
  双方右と同じ構えに守り居る時、敵の右小手を打たんと攻め、
  敵その小手を防ぐところをすかさず飛び込み面を打つ。
17.竹刀押え面
  敵中段我下段に構え守り居りて敵より我が面へ打ち来たるを、
  その太刀の中柄を押さえ、敵の構えの崩るると同時に半振り上げ諸手に面を打つ。
18.捨身面
  敵中段我下段に構え居る時、此方より敵の右小手を攻む。
  敵中段の構えを下段に直し防がんとする所をすかさず身を捨て飛び込み
  手を充分に伸ばして面を打つ。
相手を充分に攻め、機会が訪れた時、間髪いれず技を繰り出す。
そのためには、日頃からひとつでも多くの技を身に着けて
いざという時には考えなくても技が出るようにしておくことが大事です。
剣道は面に始まり面に終わるとも言われますが、
その稽古の過程で、伝統的な種々の技の奥に秘められた「剣の妙理」を味わうのも
ひとつの剣道の楽しみ方ではないでしょうか。
もちろん、目指すところは「無念無想」ではありますが、
そこにいたる道程では「理業合一」の精神で
試行錯誤を繰り返しながら取り組む必要があるかと思います。
考えて取り組み、取り組んで考える・・・。
考えるだけ、取り組むだけでなく、この二つをバランスよく取り入れて、
倦まず弛まず根気良く繰り返すことが大切かなと考える次第です。
戸締り用心火の用心、一日一善。
健やかな精神は健やかな肉体に宿ります。さぁ、稽古しましょう!
それでは、また土曜日にいつもの道場でお会いしましょう。

この記事を書いた人

剣道錬士六段 ザイツゴロウ