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2007年08月26日

六段不合格!


本日六段昇段審査を受審してまいりました!

結果は・・・不合格でした (´・ ・|||)

全部で確か5パートあって、そのうちの3パートで受審しました。
午前中の前半15組が立ち合いを終えたところで一旦区切られて、そのグループの合格発表が行われました。

ひと組4人ですから1パートに60名いたことになります。

で、私の3パートの合格者は4名でした・・・。

ざっと計算してみたところ午前中前半の部は、全部で約300名の受審者に対して合格者30数名と言う感じでした。

審査が終わったところで数人の先生から講評を頂いたところでは、ひとり目は面と小手が決まっていたが、ふたり目は決め手がなかった。五分五分な感じだ・・・とのことでした。

また、他の方からは、ひとり目で面と小手が決まっていたが後打ちになっている印象があった。と言われました。

3パート合格者4名のひとりは私の組から出ました。

合格者と私のふたりと立ち合った方の話では、私との立合いでは面と小手を決められたと思ったが、合格された方との立ち合いでは一本も打たれなかった、確かに少しも下がらなかったし、こちらの攻めを封じてきたけれど、なぜその方が合格されたか不思議に思ったと言われていました。

で、自分的な所感としては・・・

気持ちの面では不思議なくらい落ち着いていて、良くも悪くも日頃の立ち合いどおりの内容を出せたと思います。その意味ではもっとあぁすればよかったとかこうすればよかったという後悔はなく、納得のいく結果でした。

ただ、残念だったのは、ここ数ヶ月全く不本意な剣道をしていたことです。

3月くらいから自分の剣道に不安を感じ始め、4月以降色々と取り組んできましたが、結局最後までその不安を払拭できる要素がないまま当日を迎えてしまいました。この漠然とした不安がそのまま結果につながったという印象でした。悪い予感が当たった感じです。

やはり、自分を信じることができない状態で合格できるわけがないですね。

また、改めて強く感じたのは、グループ60名中の4名という水準の合格枠に入るには、そのグループの中で余程光るものがないとだめだなと言うことです。

以前、ある先輩が7段に不合格になった直後に話されていた内容が思い起されました。


先輩の話をまとめると・・・
7段の審査では6段までに必要なことができるのは当たり前だ。先をとって機会を捉えて適切に打突するのは6段を持っていればできて当たり前だし、これができないなら、そもそも7段に挑戦する以前の問題で話にならない。
それらの要素をきちんと押さえた上で、その日受審しに来た人たちの中で特に光るものを示せなければ合格はできないと感じた。

実際の審査会場を体験してみて、この話を思い出していました。

自分の前の立ち合いをずっと見学していたのですが、正直な印象としては、誰も彼も変わり映えしないということ。印象に残る人はほんの少ししかいないのです。みんな似たような立ち合いを展開していました。

この状況で考えられるのはふたつにひとつ。今日受審している人がほとんど合格するということか、それともほとんどの人が合格できないということか。

どちらだろう・・・まぁ後者だろうな。とすると、六段でも先輩の話と同じと言うことか・・・。どうすればこの人たちの中で光ることができるだろう。

そんなことを考えながら自分の番を待っていました。

で、いよいよ自分の立合いがやってきたのですが、先に書いたとおり驚くほど落ち着いていました。

まず立ち合いの途中でいくつか感じたことがありました。

ひとり目

蹲踞から立ち上がり、遠間の攻防の過程で掛け声をかけて、じりじりと触刃の間に入るところまではイメージどおり。そこから・・・

 ・ 思うように先が取れない
 ・ 打突の機会でない所で打って出てしまった
 ・ 出遅れたのに応じ技が出せず、まともに打って行ってしまった

確かに自分でも、攻めて面、攻めて小手と決めた感じがあって手ごたえもいくらかありました。

しかし正直な印象としては・・・

 ・ 打つべき機会でないところで散々竹刀を振ってしまった
 ・ 打って出てから出遅れていたことに気づいた場面があった
 ・ 出遅れたことを察して応じ技に切り替えるということが一切できなかった

これらの方が気になりました。

ふたり目

これも蹲踞から立ち上がり、遠間の攻防の過程で掛け声をかけて、じりじりと触刃の間に入るところまではイメージどおり。そこから・・・

 ・ 相手の動きに振り回されて場を支配できていない
 ・ 攻めあぐねた結果、機会でもないのに打って出てしまった
 ・ 余計な考えが頭をよぎり立ち合いに集中できなかった

触刃の間から相手が急に右に右に(私から見ると左に左に)ぐるぐる回り始めました。
これにつられて自分も回り始めてしまい、気がつくと審査員席を背にしていました。

そこで、はっとして一緒に回るのを止めようと考えた辺りからおかしくなって行きました。
その時点ですでに相手のペースで立合いが進んでしまっていました。
相手は合格には程遠い内容でしたが、そんな相手に主導権を握られた自分もかなりのお粗末さ加減でした。

今日の審査の合格基準で六段に合格しようと思えば、その日受審に来たどの剣士と組み合わされても、彼らのペースに惑わされることなく、相手の動きを封じながら先を取り、相手を厳しく攻めて場を支配し、打突する機会を作り出し、理にかなった有効打突を奪うことができる地力が必要だと思います。

仮に最後の有効打突を奪うところまでもって行けなかったとしても、相手の動きを封じて先を取り、相手を攻めて場を支配することは最低限必要だと感じました。
その上で攻め崩したところに打突する機会を見出し、自ら作り出したその機会に迷わずさっと打ちに出る姿勢を見せることができなければ話にならないと感じました。

ほとんどの受審者は(私も含めて)そんなことはできていませんでした。

立会いの「初め」の声で立ち上がると同時に掛け声をかけながら触刃の間までさっさと入って来る人、触刃の間でしばらく剣先をかちゃかちゃやったと思ったらこちらの竹刀を強引に払って打って来る人、無造作に近間まで入り込んできてから掛け声をかけてくる人、間合いも機会も一切無視して打突して来る人、意味もなくくるくる回る人・・・そんな色々な人を相手にしなければならない中で、それでもきちんと場を支配して先を取り、打突の機会では迷わず決断して打って出て、それ以外のところでは決して竹刀を振らないという判断と決断が適切にできなければ合格は難しいでしょう。

自分の日頃の稽古でこのような点に重点を置いて取り組んできたかと考えると、その取り組みの甘さを痛感しました。

これが今日一番の収穫です。

頭では難しい審査だとわかっているつもりでしたが、思っていた以上に厳しいなという印象です。

もっともっと自分に厳しく取り組んで行かないと、合格は遠いなと感じた次第です。

ここからが正念場と覚悟を決めて合格できるまで粘り強く取り組んで行こうと思います。

取り急ぎご報告まで。