「技」について・・・胴技7種
今回は高野先生が書いている50種の技の中から、
その最後となる【胴技7種】をご紹介いたします。
いくつイメージできますか?
ちなみに、居り敷き胴とは絶ちの形7本目の胴の様に
形膝を曲げながら胴を撃ち最終的には地面に膝をつく撃ち方です。
立胴が、今で言う抜き胴ですね。
今回は高野先生が書いている50種の技の中から、
その最後となる【胴技7種】をご紹介いたします。
いくつイメージできますか?
ちなみに、居り敷き胴とは絶ちの形7本目の胴の様に
形膝を曲げながら胴を撃ち最終的には地面に膝をつく撃ち方です。
立胴が、今で言う抜き胴ですね。
先々の先の技について私が最近考えていることを書いて見ます。
これまで、私は、剣道の技はどれも同列なモノだと認識していました。
先々の先、対の先、後の先、そのどれもに同等の価値があると思っていました。
一方で、相手と立ち合う時に、仕掛け技でいくのか、
応じ技でいくのか、或いは担ぎ技で行くのか・・・。
それらの「技の選択」については、はっきりとした基準を持っていませんでした。
「先々の先の技」の評価が高く「後の先の技」は評価が低い、或いは、
「後の先の技=待ちの技」というイメージに対して違和感がある一方で、
いきなり「後の先の技」を狙っていくというのもしっくりこないものを感じていました。
下記の記述に出会うことで、このような漠然とした「技観」が少々変わりましたので、
参考になればと思いここでご紹介いたします。
今回は「技」について。
剣道の技にはどれくらいの種類があると思いますか?
古流までいれると、それこそ数え切れないほどの技がありますが、
明治維新後に「剣道」として体系化された後だけを考えると、
例えば、高野佐三郎範士の「剣道」には「手法五十種」として
面技18種、突き技13種、小手技12種、胴技7種が紹介されています。
結構多いですよね(*^_^*)
私が始めて四段の審査を受けた時、
審査委員長が立合審査後の講評で
「剣道には50種類ほどの技があるといわれています。
それなのに、みなさまの立合いは、
あらかじめ面と小手面しか打たないと決めてかかったようなものばかりでした。
このようなことでは、とても四段の実力を認定するわけにはいきません。
もっと剣道の技の術理について研究してください。」
という趣旨のことを言われたのを聞いて、
そんなにあるのかと驚いたことを思い出します。
ちなみに、その時の審査では合格者は2割前後しか出ませんでした。
そこで、今回は高野先生が書いている50種の技の中から、
【面業18種】をご紹介いたします。
まず最初に、先週ご紹介した「身体意識」について書かれた本についてご紹介しておきます。
「身体意識を鍛える〜閉じ込められた"カラダの力"を呼び覚ます法〜」
高岡英夫 青春出版社刊
です。青春出版社・・・懐かしいですね。
英語の参考書で有名なのがありましたよね・・・確か・・・うぅ、思い出せない(T_T)
英単語を覚えるやつとか英文法を覚えるやつとかだったような・・・。
誰か覚えていませんか?
気を取り直して、今回は、「刃筋」について考えて見ましょう。
今年で剣道に取り組み始めて29年、来年2006年秋には、なんと、あしかけ30年になる。
30年と言えばひとつの区切りである。そんな区切りの年を目前にして、未だ剣の操作に関する悩みは尽きない。
この10年間は、「気剣体の一致した打突を行えるようになる。」という目標のもと、「気合を発する瞬間、剣先が打突部を捉える瞬間、右足が踏込む瞬間の3つの瞬間を一致させた打突を行うことが「気剣体の一致した打突」の意味である」と言う仮説をたて、ただひたすらに、「気剣体の一致した打突」を目指して取り組んできた。が、その実現も儘ならぬ3年ほど前から、「一拍子の打ち」なる新たな難問に直面し、悩みは深まる一方となった。
そこで、解決の糸口を探して、色々な文献、口伝、読み物、先生方の講話などを求めてみた結果、ひとつの仮説を新たに立て、この30年間の節目の最後の期間における修行課題とすることにした。
「引く波は寄せる波、寄せる波は引く波」と思って、相手が出るのを一歩引いて外したら、その後に打つ。
春 ・・・ 機先を制す
夏 ・・・ 一刀両断
秋 ・・・ 臨機応変
冬 ・・・ 死生不二
機先を制して事の起こらぬようにする。
いざ事が起きてはテキパキと判断し自分の欲を一刀両断する。
事にあたりては臨機応変
どっしりとして底力のある腹で絶対無我の境地
死生不二、長短一昧で立ち向かう
天下自然の法則に従った剣をイメージする。
◎全ては敵を討つ太刀の縁
そこだという「そ」の字の頭を打ち、
ここだという「こ」の字の頭を打たねばならぬ。
経験から生まれる勘 → 無念無想・明鏡止水の心境
勘を養うための稽古法は何かないか。
◎三つの先 ・・・ 今の自分には「先」の研究が最も大切な気がする。
懸の先(先)
待の先(後の先)
体々の先(先々の先)
◎兎にも角にも切ると思いて太刀を取るべし
◎敵に先をさせて勝つ也
◎懸待一致ということ
身を懸に太刀を待に
心を待に身を懸に
心を懸に太刀を待に
※身とは太刀を持つ手のこと
◎打は陽 留は陰
陰陽の釣り合いを持って勝負すること
【下段】
待形を専らに見せ内に懸かる。
位詰めの後、相手に虚があれば急に懸かって破る
陰陽助け合って勝つ
◎試合の極意 → 勝ち易きに勝つ
もっとも労が少なくして効が大きい方法を取る
実を避けて虚を打つ
虚を以って誘い実を以って打つ
敵の虚に乗じ、敵の最も弱いところを攻める
◎武術とは結局、最も少ない労力で、最も有効に敵を制する方法である
◎隙・・・形を崩すか心を崩すか
常に変化を自在にしていつも敵の意表に出る
山海のかはり
◎剣道の四病
驚き 懼れ 疑い 惑う
◎剣道の十悪
我慢 我心 貪欲 怒り 懼れ 怪しみ 疑い 迷い 侮り 慢心
これらは全て心境を曇らす
◎敵もなく我もない境地 → 無敵
水月の位
虚心坦懐
◎剣道の気位 → 我は将也、敵は卒也
◎竹刀の握り幅の矯正と面打ちのリハビリ
竹刀が振れない原因を根本的に解決するため、左右の手の握り幅の狂いを矯正する。
◎相手の突き技への対処法の研究
◎攻めたら迷わず打つ。四戒(恐驚疑惑)の克服。
◎ 打突の機会をつかむ工夫について
◆打突の機会◆
1.相手の起こり頭
2.相手の技の尽きたところ
3.相手の受けたところ
◆剣道の極意とは◆
相手の起こり頭を捉える
↑
相手の「心」を読む
↑
五感を研ぎ澄ます
↑
目で見るだけでは足りない
↑
相手をよく注意して観察し、どここに打突の機会があるか注意深く探っていく
↑
稽古の中で感性を磨くだけでは足りない
↑
感性を磨くような生活習慣
つまり、日々の生活が剣道となるように心がける必要がある。
◆目付け◆
相手の目をみる
相手の剣先を見る
◆体の使い方◆
足の動きに合わせて手を、そして刀を動かす。
◆出頭を捉える◆
1.現象面に現れたところを捉える
2.現象面に現れないところで捉える
3.相手の出端を崩して捉える
◆相手との間の境界線◆
先を仕掛けて相手を自分の陣地におびき出し、地雷を踏ませれば勝つ。
攻め込んで勝つには相手の陣地のどこに地雷があるのかを完璧に知る必要がある。
強い攻めで相手を引き出す・・・激しく攻め立てることで、このままではやられると感じさせ誘い出す。
◆攻め方の具体的練習◆
1.巻き ・・・ 中心から外へ大きく巻く
外から内側に入っていく巻き
※相手の起こり頭を狙って巻くこと
2.張り ・・・ 下から上へ張る
上から下へ張る
※相手の起こりを捉えて張ること
3.小手切り落とし面
※小手を空けておいて誘い、相手が小手に出たところを切り落として面を打つ。
◆地稽古について◆
自分の剣道を向上させるためには、まず自分の欠点や長所を自覚し、
目的を絞り込んで具体的な稽古をしていく必要がある。
× その場で相手の動きに合わせて打つような稽古
○ 相手の動きを読んで打つような稽古
○ こちらが相手を動かして打つような稽古
むやみな攻めは自殺行為。
◎技を磨くための基本事項
◆刃筋を立てて切る◆
なぜ切っ先三寸で切るのか。
刀を太鼓のばちのような硬いもので柄部先端に一方を固定し、刃部側の二点で支えておく。
刃部を支えるばちを刀の中ほどに持ってくると刀は寝てしまうが、
刃部を支えるばちを切っ先三寸の辺りまで持ってくると刀は自然に起きる。
この、刀が起きる部分が力点である。
日本刀は切っ先三寸に力点が来るようにデザインされている。
従って、左手で柄の端をもって躁刀すると、切っ先三寸に最大の力が働く。
ここ以外の部分で打突すると無駄が生じる。
◆人の心を打つのが技◆
剣道は相手の面なら面を打ちながら実は人の心を打っている。
相手の呼吸の止まったところを打つ。
◆技の三大要素◆
大きく まっすぐ 遠くから
◆打突後、相手の横を突き抜けていく◆
すれ違う出足の稽古こそ上達の秘訣
◆いざと言うときに動ける体を作り胆を練っておくこと◆
相手の攻めに対し、自分の左手(手元)を動揺させないこと。
攻撃する際には相手の剣にひるまずに遠くから真っ直ぐに技を出すこと。
◎面技をいかに磨くか
◆最小限の動きで大きく打つ◆
両手を柔らかく、動きを一緒にして竹刀にしなりを与える
1.地摺りの面(示現流)
2.竹刀を開いて打つ面
3.先に起こして打つ面
小野派一刀流極意 「切り落とし」
・・・ ポイントは出足の早さと起こりの早さ
出小手を狙われないようにすること
・・・ 大切なのは相手が面に来ることを確信する相手に、実際に面を打たせることにある。
◎小手技をいかに磨くか
◆小手は気剣体を一致させることが難しい◆
腰を水平に動かして打つ。
【理合】
こちらの中心の攻めによって苦しくなった相手が、無理に出ようと手元を浮かしたから小手を打つ。
面は大事だが、勝負しになるには小手が打てなければいけない。
小手で相手の機先を制するような攻めが無いと勝負には勝てない。
小手が切れてもとどめを刺すための次の面が打てる体勢であること → 小手面の小手
本来の連続技 ・・・ 打って外れた、だから思わず次の技が出る。
※三本は打ちなさい。
小手は猿尾を伸ばすように打て。
腕をしならせて、刀を投げ込むようにして打つ。
腕と竹刀が一直線になるようにして打つ。
足を面と同じように運んで打つ。
剣先を相手の腋の下と右肘の内側に差し込むようにして打つ。
◎胴技を巧みに打つ
◆胴は相手の腋をくぐるように抜けなさい◆
打った後が大事。左足の引付がうまいと打突後の伸びが冴える。
瞬間的に腰を落として打つ。
左足を前に出して胴を切る。
◎まとめ
相手に切られたということは・・・
▽技を出す理合が甘かった。
▽誘われて出てしまった。
▽打つべき時期ではなかった。
▽間合いが甘かった。
スピードやフェイントで争うのではなく、確実な理合をつかむやり取りを心がける。
刀が届くところまで踏み込み、足場を決めてから切る。
両手の返しと足で切れ。
立ち合って構えたら気を合わせ、
相手の呼吸を探り、間合いを探り、心を読み、
先を仕掛けて、起こりを打つ。
◆柄の長さ◆
3尺9寸の竹刀には3尺8寸用の柄側が適している。
(以上、馬場欽次先生)