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平成10年1月〜2月の研究まとめ


◎ 打突の機会をつかむ工夫について

◆打突の機会◆

1.相手の起こり頭
2.相手の技の尽きたところ
3.相手の受けたところ

◆剣道の極意とは◆

相手の起こり頭を捉える
   ↑
相手の「心」を読む
   ↑
五感を研ぎ澄ます
   ↑
目で見るだけでは足りない
   ↑
相手をよく注意して観察し、どここに打突の機会があるか注意深く探っていく
   ↑
稽古の中で感性を磨くだけでは足りない
   ↑
感性を磨くような生活習慣

つまり、日々の生活が剣道となるように心がける必要がある。

◆目付け◆

相手の目をみる

相手の剣先を見る

◆体の使い方◆

足の動きに合わせて手を、そして刀を動かす。

◆出頭を捉える◆

1.現象面に現れたところを捉える
2.現象面に現れないところで捉える
3.相手の出端を崩して捉える

◆相手との間の境界線◆

先を仕掛けて相手を自分の陣地におびき出し、地雷を踏ませれば勝つ。
攻め込んで勝つには相手の陣地のどこに地雷があるのかを完璧に知る必要がある。

強い攻めで相手を引き出す・・・激しく攻め立てることで、このままではやられると感じさせ誘い出す

◆攻め方の具体的練習◆

1.巻き ・・・ 中心から外へ大きく巻く
         外から内側に入っていく巻き

※相手の起こり頭を狙って巻くこと

2.張り ・・・ 下から上へ張る
         上から下へ張る

※相手の起こりを捉えて張ること

3.小手切り落とし面

※小手を空けておいて誘い、相手が小手に出たところを切り落として面を打つ。

◆地稽古について◆

自分の剣道を向上させるためには、まず自分の欠点や長所を自覚し、
目的を絞り込んで具体的な稽古をしていく必要がある。

 × その場で相手の動きに合わせて打つような稽古

 ○ 相手の動きを読んで打つような稽古

 ○ こちらが相手を動かして打つような稽古

むやみな攻めは自殺行為。

◎技を磨くための基本事項

◆刃筋を立てて切る◆

なぜ切っ先三寸で切るのか。

刀を太鼓のばちのような硬いもので柄部先端に一方を固定し、刃部側の二点で支えておく。

刃部を支えるばちを刀の中ほどに持ってくると刀は寝てしまうが、
刃部を支えるばちを切っ先三寸の辺りまで持ってくると刀は自然に起きる。

この、刀が起きる部分が力点である。
日本刀は切っ先三寸に力点が来るようにデザインされている。

従って、左手で柄の端をもって躁刀すると、切っ先三寸に最大の力が働く。
ここ以外の部分で打突すると無駄が生じる。

◆人の心を打つのが技◆

剣道は相手の面なら面を打ちながら実は人の心を打っている。
相手の呼吸の止まったところを打つ。

◆技の三大要素◆

大きく まっすぐ 遠くから

◆打突後、相手の横を突き抜けていく◆

すれ違う出足の稽古こそ上達の秘訣

◆いざと言うときに動ける体を作り胆を練っておくこと◆

相手の攻めに対し、自分の左手(手元)を動揺させないこと。
攻撃する際には相手の剣にひるまずに遠くから真っ直ぐに技を出すこと。

◎面技をいかに磨くか

◆最小限の動きで大きく打つ◆

両手を柔らかく、動きを一緒にして竹刀にしなりを与える

1.地摺りの面(示現流)

2.竹刀を開いて打つ面

3.先に起こして打つ面

 小野派一刀流極意 「切り落とし」

   ・・・ ポイントは出足の早さと起こりの早さ

 出小手を狙われないようにすること

   ・・・ 大切なのは相手が面に来ることを確信する相手に、実際に面を打たせることにある。

◎小手技をいかに磨くか

◆小手は気剣体を一致させることが難しい◆

腰を水平に動かして打つ。

【理合】

こちらの中心の攻めによって苦しくなった相手が、無理に出ようと手元を浮かしたから小手を打つ。

面は大事だが、勝負しになるには小手が打てなければいけない。
小手で相手の機先を制するような攻めが無いと勝負には勝てない。

小手が切れてもとどめを刺すための次の面が打てる体勢であること → 小手面の小手

本来の連続技 ・・・ 打って外れた、だから思わず次の技が出る。

※三本は打ちなさい。

小手は猿尾を伸ばすように打て。

腕をしならせて、刀を投げ込むようにして打つ。
腕と竹刀が一直線になるようにして打つ。
足を面と同じように運んで打つ。
剣先を相手の腋の下と右肘の内側に差し込むようにして打つ。

◎胴技を巧みに打つ

◆胴は相手の腋をくぐるように抜けなさい◆

打った後が大事。左足の引付がうまいと打突後の伸びが冴える。
瞬間的に腰を落として打つ。
左足を前に出して胴を切る。

◎まとめ

相手に切られたということは・・・

 ▽技を出す理合が甘かった。
 ▽誘われて出てしまった。
 ▽打つべき時期ではなかった。
 ▽間合いが甘かった。

スピードやフェイントで争うのではなく、確実な理合をつかむやり取りを心がける。

刀が届くところまで踏み込み、足場を決めてから切る。

両手の返しと足で切れ。

立ち合って構えたら気を合わせ、
相手の呼吸を探り、間合いを探り、心を読み、
先を仕掛けて、起こりを打つ。

◆柄の長さ◆

3尺9寸の竹刀には3尺8寸用の柄側が適している。

(以上、馬場欽次先生)


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