「剣先」について
今回は「剣先」について書かれたものがありましたのでご紹介します。
私が高校生の頃、進学校の剣道部でキャプテンをやっていたのですが、
私がキャプテンを引き継いだ高校2年の頃には、正規の指導者がおりませんでした。
入部した際に、たった5人ほどしかいない剣道部であるのを見て、
「こんなさびしい部活に青春を預けることはできん!!」と奮起し、
学校中をリクルートして回ったおかげで、部員数は20人以上に膨れていました。
今回は「剣先」について書かれたものがありましたのでご紹介します。
私が高校生の頃、進学校の剣道部でキャプテンをやっていたのですが、
私がキャプテンを引き継いだ高校2年の頃には、正規の指導者がおりませんでした。
入部した際に、たった5人ほどしかいない剣道部であるのを見て、
「こんなさびしい部活に青春を預けることはできん!!」と奮起し、
学校中をリクルートして回ったおかげで、部員数は20人以上に膨れていました。
今回のテーマは前回予告していた通り、「虚実」についてです。
「虚実」は、中国の兵法書である「孫氏」に出てくる言葉です。
剣道の攻防の理合いは、この「虚実」に影響を受ています。
「攻めて必ず取るものは、その守らざるところを攻むればなり」
攻めれば必ず勝つという者が必ず勝てるのは、
相手の守りの手薄なところを攻めるからである。
この解釈には色々なものがあり、色々な事例もありますが、
必勝戦略的に解説してみます。
必ず勝つには、まずどこを攻めるか熟慮してから攻めねばならない。
相手が完璧に守っている場合には攻めてはいけない。
情報を集めて相手の守りが手薄なところを突きとめ、
そこを攻めることで勝ちを手にすることを考えねばならない。
守りが手薄なところを「虚」と呼ぶ。
いざ攻めるに当たっては、戦力の差を認識しなければならない。
実力に大きな差があるのに、馬鹿正直に相手の弱点を真正面から
攻めるのでは勝ちはおぼつかない。
相手も必死であるのだから、こちらが弱みを突いてくるとわかれば
たちまち弱みの守りを固め、弱みは弱みでなくなってしまう。
ではどうするか。
拳を攻める
↓
迎え入れる・乗り返す
↓
剣先を立てず1拍子で打つ
打たせない・打たれないという所から攻防を始める。
↓
中心を攻める。
↓
中心線・正中線を取りあう攻防。
↓
間合いを探る。
↓
有利な間合いを取り合う攻防。位取りの攻防。
↓
打突の機会を捉える攻防。
表を攻める・裏を攻める・下を攻める・上を攻める。
↓
打ち間に入る。
↓
1拍子で打つ。
↓
残心
【ポイント】
相手の動きを待っているのではなくて、隙があれば打つぞ、動いたら打つぞという体勢でこちらから積極的に間合いに入って行き、機会を逃さず打つ。
そのために、相手がどう出てきても打つことができるように、手の内を研究し、技を身につけておく
打ち間に入ったところで相手の出方に応じて打ってみる。
打っていった所を返されて打たれるようであれば、打つべき所ではなかったことを知る。
技を知らずに攻防はありえない。
技を頭で知っているだけでなく、技を体に覚えさせることが大切。
打突後の余勢は、相手の体を真っ二つに切り、その間を抜けていくイメージで抜ければ油断せずすぐに振り返り構えを整える。
以下は、あくまで、「先」に関する私見である。
高野佐三郎範士の「剣道」によると「先」には「3つの先」があるという。「先々の先」「先(先前の先)」「後の先」の3つがそれだ。
剣道においては「機先を制する」ことが最も大事であり、この「3つの先」を手中に収めることができるかどうかが最重要課題であることには異議も少ないだろう。
剣道にはただ「攻め」があるのみで「受ける」も「防ぐ」も、「攻め」の途中の姿としてあるだけであり、単独では存在しない。と高野範士は言っている。つまり、「かわす」も「外す」も「切り落とす」も「受ける」も「張る」も、「受ける太刀は打つ太刀」の精神で、全て瞬時に「切る太刀」「突く太刀」に変わるのでなければならないと言う考え方である。