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2007年03月02日

「気」の働かせ方について


いよいよ今年は6段挑戦の年となります。

5段に昇段させていただいてから早くも5年の月日が経とうとしている・・・。
「光陰矢のごとし」とはよく言ったものだと思います。

さて先日、これまで自分が残してきた記録をまとめて読み返していて、面白いことを発見しました。ちょうど昨年2月の中頃に下記のような記事を残していたようなのです。

「間合」について

その記事には、一昨年取り組んでいた課題である「足と腰で行う剣道〜先を取る」がひと区切りつきそうな所で新たな壁にぶつかって悩んでいた私が、その壁を乗り越えるためのヒントになりそうな課題について、一時期に何人かの先生に同様の指摘を立て続けに受け、昨年のテーマを「間合を知ろう!」に決めたという件を書いています。

すると、大変興味深いことに、今年の同じ2月中頃、下記のような記事を書いていたのです。

2月10日の稽古会

ここには、九州松下剣友会の稽古会で新しい課題を指摘されてありがたかったということが書かれています。

この「指摘」は、昨年の課題であった「間合を知ろう!」がある程度区切りがついた所で次の「目に見えない壁」にぶつかって悩んでいた私の意表をついて突きつけられたもので、言われたその場では何を言われたか実はよくわかりませんでした。
その晩よくよく考えてみても何を言われているのかわからなかったくらいで、翌日のむさし剣錬会朝稽古でもう一度その話について聞かせてくださいとお願いしたくらいのものでした。
ところが、この指摘を受けた直後に、別の先生から立て続けに全く同じ指摘を受けたのでした。

その後は、考えれば考えるほど、これこそ今の自分が直面している壁を乗り越えるために必要な課題そのものなのではないかという確信を持ちはじめ、とうとう今年のテーマを「気の働かせ方を学ぼう!」に決めたところだったのです。

そのお礼を下記の記事中の「追伸」に書いていたりしています。

ヤマハ剣道部ブログにリンクしました

後から考えると、この流れは、まるで昨年の繰り返し・・・違うのは課題の中身だけでした。

不思議なものですね(*^_^*)「求めよ、さらば与えられん。」を体感した出来事でした。

さて、肝心の「気」の働かせ方について考えて見ましょう。

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2006年01月20日

山岡鉄舟の「剣禅夜話」から


今回は、私が最近読んだ「山岡鉄舟 剣禅話 高野澄編訳」という本に
興味深い話がありましたのでご紹介したいと思います。

山岡鉄舟が明治13年の4月に書いた「剣と禅理」の中に
商人の話がきっかけで悟りにいたるというくだりが出てきます。

本当は原文をそのままご紹介するのがよいのだと思いますが、
ここでは要旨だけご紹介します。

ある日、山岡鉄舟のもとに、書が欲しいと一人の豪商が訪ねてきた。
彼が自分の経歴を語った中に、次のような興味深い話があった。

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2005年08月03日

「心を止めるべからず」について


いつも最後まで読んで頂いてありがとうございます。
在津@金沢です。

剣道で大事なことには本当に色々と多くありますね。
ひとつひとつ丁寧に教えてくれる師匠がいたらなぁ・・・。
素晴らしい師匠について修行ができる剣士は本当に幸せですね。

師匠との出会いに恵まれない剣士の方が圧倒的に多い現代で
唯一誰もが平等に得られる師匠は書籍だと思います。

剣道に関係のある書籍を読む時は、自分の想像力を最大限に発揮して
目の前に師匠が居て、自分に話をしてくれているというような気分で
自分の心のこだわりを極力封印し、何を伝えようとしてくれているのかを
理解することに全精力を注ぎ、素直な気持ちで読むようにしています。

それでも、書籍だと、目の前で師匠が口伝してくれれば無いような事で
困る場合があります・・・それは言葉の読み方です(^_^;)

特に昭和初期以前に書かれたものを読むのは大変難しいです。

例えば、「心を止めるべからず」という言葉ひとつとっても
多分、「こころをとどめるべからず」と読むんだろうなぁと思うものの
確信は無かったりします。

「こころをとめる」かなぁ・・・ここでこの字の読みに一時心を奪われて、
文字通り「心が止まって」しまったりして・・・(T_T)

心を止めてはいけないという内容を読みながら心を止めている私。
何をやっているのかわからないですね(*_*)
(この例だと、まさに内容を「体感」できているのかもしれませんが・・・)

口伝ならはじめから音があるのでこんな余計な苦労は無いだろうなと思いつつ
四苦八苦しながら読み進めています。
(口伝なら私のような者に奥義を語ってはくれないでしょうから一長一短ですね。)

さて、いい機会なので、例に使った「心を止めるべからず」について少々。

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2005年07月28日

「剣道の心得」について


毎週活気あふれる稽古会を開催できて嬉しい限りです。

みなさん、この勢いで、(自然体で)がんばりましょう(*^_^*)

さて、今回は、古賀さんから稽古に取り入れた方がいいのではと
提案を頂いた「先」をはじめとした「剣道の心得」についてです。

剣道の心得などというと色々とあるのですが、そんな中でも
一番大事なことをひとつだけ挙げるとすれば
「機先を制して勝ちを得る」ことです。

私が目指す「正しく美しい剣道で勝つ」という目標は、
このコンセプトに基づいています。
「正しく美しい剣道」とは「機先を制する剣道」のことです。

昇段審査用の剣道、試合用の剣道、稽古用の剣道等と分けないで、
正しい剣道を追及していった結果、ひとつの剣道スタイルで、
昇段もでき、勝ちを得ることもできるレベルになることを志して
日々の稽古に取り組んでいます。

ちょっと贅沢な感じもしますが、志は高く!がモットーですので(^.^)

そこで、機先を制して勝ちを収める剣道では、
「先を取ることができるかどうか」が勝敗を決します。

勝ちを確定させるためには、機をみて先を取った後に、
「驚・恐・疑・惑」の四戒に囚われることなく、
「無刀の心得」で踏み込んで、「拍子」を外さず切らねばなりません。

ですが、まず、何よりも機を見て先を取ることがなくては
何も始まりません。

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2005年07月21日

「三殺法」について


最近、稽古会が再び盛り上がってまいりました。
これもひとえに参加いただいている皆さんのおかげです。

ありがとうございます<(_ _)>

剣道の理合の源は天然自然の法則です。

春が着たら夏が来て、夏が着たら秋が来て、秋の次には冬が来る。
我らが稽古会もこの10年、春夏秋冬の理に沿って運営されています。

で、今は「春」。

これから夏、秋に向けてヒートアップしていきましょう!

【業務連絡】 川崎君!みんな待ってるよ〜♪

ところで、今回は、先週の稽古会の後の2部道場で佐野さんが
話されていた「三殺法について」です。

刀を殺し、業を殺し、気を殺す。

これが三殺法です。「三つの挫き」とも言います。

高野佐三郎範士の『剣道』によると・・・

「刀を殺す」とは、敵の刀を左右に押さえ、或いは払い落しなどして
自由に太刀を使用させないことをいう。

「業を殺す」とは、自分から鋭く撃ち懸け突き懸け、たとえ撃突が外れても、
気にせず奮進して敵に接近し、体当たりし、敵が防御一方になって、
技を出す余裕を持てない状態にすることをいう。

このようにされると、いかに気が猛々しく業が早い者であっても
その勢いに挫かれて業を出すことができないものだ。

この方法で勇敢に働いて、敵の起り頭を押さえて常に先に出る時には
敵は自分の勇気に恐れ、気を奪われ、はなはだ戦いやすくなる。

しかし、未熟なものがこれを試みれば、却って破綻を招くことがある。

修錬の効を積んだ上での工夫であることを忘れてはならない。

敵が打ち出す後を撃てば相撃となり、敵の働きに引廻されれば先を取られる。

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