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2006年10月18日

「剣士諸君!」への想い


私は福岡県太宰府市の出身です。
小学2年生の頃に竹刀を握ってから紆余曲折を経て、現在剣道八段範士を目指して剣道修行しています。
このように書くとどれほどの腕前なんだろうと思われるかもしれませんが、平成18年10月時点で38歳、剣道五段です。経験者であればすぐにわかることですが、この年齢でこの段位であると言うことは、いたって凡庸な剣士である証です。同世代の秀でた仲間たちはすでに七段を視野に入れています。
このサイトの記事は、もしかしたら剣道の腕に覚えのある先生方の失笑を買うかもしれません。けれど、敢えて私は「剣道八段範士を目指している」と公言しています。なぜならば、剣道に限らず、一度きりの人生を行きぬく上でもっとも大切なことは、何かを目指して行動をおこすこと、真剣に取り組むこと、そして最後の最後まであきらめずやりぬくことだと思うからです。

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2006年08月21日

小川忠太郎先生辞世の句


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この書は、東京時代に大変お世話になった杉並の大義塾で、(奇しくも私が大義塾を去ることとなった年でもある)平成4年のはじめに先生から頂いた、小川忠太郎先生(剣道範士九段)の辞世の句の写しです。
小川先生は大義塾の故中村太郎先生の師でもあられた方です。
あれから14年の歳月が流れましたが、私は今でもこの書のコピーを書斎机に飾って大切にしています。
剣道から学んだ中で、私にとって一番大切な「平常心」という言葉について、片時も忘れることが無い様にという思いをこめて・・・。
このような書に出会えたことに、またこの書の写しを私に下さった大義塾との出会いに、私は今でも大変感謝をしています。縁と言うのは誠にありがたいものです。


2006年06月22日

「剣道」とは一体なんであるか?


「武道」とは、「武術」の修練を通じて人間形成を行う道のことである。
「武道」の中でも、「剣術」の修練を通じて人間形成を行う道のことを「剣道」という。

全日本剣道連盟では下記のように言っている。

剣道の理念

  剣道は剣の理法の修錬による人間形成の道である

剣道修錬の心構え

  剣道を正しく真剣に学び
  心身を錬磨して 旺盛なる気力を養い
  剣道の特性を通じて
  礼節をとうとび 信義を重んじ
  誠を尽くして 常に自己の修養に努め
  以って 国家社会を愛して
  広く人類の平和繁栄に 寄与せんとするものである

(財)全日本剣道連盟 昭和50年3月20日制定

「剣の理法の修練」とは平たく言えば「剣術修行」のことだろうと思う。
であれば「剣道」が「剣術修行」によって形成を目指す人間像とは、

  礼節をとうとび、信義を重んじ、誠を尽くして、常に自己の修養に努め
  以って 国家社会を愛して、広く人類の平和繁栄に寄与せんとする人間

ということになるだろう。

つまり、「剣道」に取り組むということは、ほとんど自動的に、このような「人間像の確立」を目指した自己研鑽の努力を伴う取り組みを意味するはずである。

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2006年03月03日

柳生研修会迫る!


いよいよ今年も柳生研修会の季節が迫ってきました。

思えば、昨年の研修会で横山先生から
「君は打突の機会というものが全くわかっていない。」
と注意して頂いたのが昨年の取り組みの指針となったのでした。

今年は昨年よりも少しはましになっているだろうかと
少し不安な感じもしますが、今年も参加しようと思っています。

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2006年02月24日

トリノ五輪を観て思ったこと


最近は深夜にトリノオリンピックを放映しているので
寝不足の方も多いのではないでしょうか?

今朝は、荒川静香選手の金メダルに日本中が
明るい気分になったことでしょう。

どの選手も本当にがんばっていますよね。

さて、ご存知の通り、剣道はオリンピック競技ではありません。
同じ武道でも、柔道はずいぶん前からオリンピック競技ですね。

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2005年12月03日

剣道の良いところ


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竹刀を刀として考えれば、絶対に相手に打たせてならないのに、
打って反省、打たれて感謝、上手に打たれる人は、
上手に打つ可能性のある人などの言葉自体が矛盾している。
奥が深いと感じました。

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ある方からのメールで上記のようなお話を受けました。
これについて感じることを書いてみます。

「剣道」のよいところは、潔く切られてもまた次があることではないでしょうか?
死活の技術である「真剣の剣法」だとそうは行きません。

竹刀で切られても命までは失わないからこそ、
相手の竹刀をよけるのではなく、潔く切られるという選択肢も選べる。
その選択を心にもてるからこそ捨て身の技の稽古ができる。
捨て身の技の稽古を通じて命の捨て所をわきまえて行くのだと思います。
捨て身になるたびに命が危うかったらそこから学んだ頃には死んでいますよね。

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2005年11月02日

「道」について


今回は「道」について。

先週紹介した中野八十二範士九段の本に、「道」についての解釈がありました。なるほどなと思いましたので紹介します。

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道というのは言葉の解釈からいえば、「み」は接頭語、「ち」という目標になる。
同じ道でも、中国と日本ではちょっと解釈が違う。
ひとつの目標に達するということでは変わりは無いが、
中国の場合は、ひとつの基本的なものがある。
例えば夫婦の道だとか、或いは天地自然の道だとか、ひとつの規範がある。
人間が修錬して規格にはまった場合には、道に達したという。

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2005年05月05日

京都大会に思う


先日、深まる剣の悩みに、何かしら光明を見出せないものかと思い、生まれて初めて京都大会を見学に出かけた。
そこで見た諸先生・諸先輩の立合いに痛く感ずるところがあり、自分なりに色々と考えてみた結果、下記のようなテーマを得た。


1.「剣先の攻め」ということについて

京都大会の立合いを見ていると、もれなく剣先の攻め合いを行っている。
それも、ただ剣先をかちゃかちゃとぶつけ合っているようなものでは当然無く、緊迫したムードの中で剣先が触れ合っている。
傍から見ていると、緊迫したムードは伝わってくるが、残念ながら、その意図は良くわからない。

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2005年05月01日

「理行合一」ということ


剣道の専門家でない剣道人が剣道に取り組むにあたっては、特に「理業合一」が大切であると思う。
理を学び、行に取り組むことによって、日進月歩の稽古を積まないことには、時間がいくら合っても足りないだろう。

そもそも、剣道の基礎を体得するのにどれくらいの時間がかかるだろうか。

昭和の剣聖、持田盛ニ範士でさえ、「剣道の基礎を体得するのに50年かかった」と言われたそうだ。

剣道の専門家でない剣道人が剣道の基礎を体得しようという場合、そのこと自体、並大抵のことではないということである。

そうは言っても、せめて50になる頃までには、剣道の基礎をおおむね習得したと言えるほどになっていたいものだ。

そこで「理行一致」が必要だと思うのである。

「理」を学び、「行」に取り組むことによって、少しでも早く、剣の理法の習得を目指そうと言うことである。

もう少し広い視点で考えるなら、剣道修行に於いては「事理一致」の修行であるべきで、
「事(技術)」の修行に偏ることなく「理(心)」の修行と歩みを一にして取り組むことが必要だと思う。
文武両道であるべきだ。

剣道の理念にあるように、剣道が「剣の理法の修練による人間形成の道」であるならば、なおさら、剣の理法の修得には、理行両面から取り組むべきであろう。

段位を持つ剣道人としては、それぞれの段位にふさわしい理法を身につけているという意味合いの中でも、段位にふさわしい教養が必要であると思う。

打つことや、勝つことばかりを重んじ、理(心)を軽んずる剣道にしないためにも、まずは自分から、事理一致の修行を実践しようと思う。


2005年02月01日

剣士諸君!をはじめるにあたって


みなさんは日頃剣道に接する機会はありますか?

私は小学2年生の10月に剣道を始めました。
以来、2006年の10月には剣道を始めて30周年を迎えます。

この間、いつも順調に剣道に取り組んできたわけではありません。
小学6年生・中学3年生・浪人時代1年間・大学1年生・社会人1年生の計5年間は、全く稽古をしませんでした。

高校時代は剣道部でキャプテンなども務めましたが、本格的かつ継続的に、本当の意味で剣道に取り組み始めたのは1995年の7月に会社の剣道部の定例稽古会を始めてから後のことです。

ここから数えて今年でようやく10年目・・・。
この節目の年に何か記念になることをはじめたいと思いこのウェブサイトを立ち上げました。

これまでノートなどに記録していたものも日付順に記録してみました。

剣道に取り組む上で感じた悩みや楽しみ、学んできたこと、体験したことなどを中心に掲載して行こうと思います。


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