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「理行合一」ということ


剣道の専門家でない剣道人が剣道に取り組むにあたっては、特に「理業合一」が大切であると思う。
理を学び、行に取り組むことによって、日進月歩の稽古を積まないことには、時間がいくら合っても足りないだろう。

そもそも、剣道の基礎を体得するのにどれくらいの時間がかかるだろうか。

昭和の剣聖、持田盛ニ範士でさえ、「剣道の基礎を体得するのに50年かかった」と言われたそうだ。

剣道の専門家でない剣道人が剣道の基礎を体得しようという場合、そのこと自体、並大抵のことではないということである。

そうは言っても、せめて50になる頃までには、剣道の基礎をおおむね習得したと言えるほどになっていたいものだ。

そこで「理行一致」が必要だと思うのである。

「理」を学び、「行」に取り組むことによって、少しでも早く、剣の理法の習得を目指そうと言うことである。

もう少し広い視点で考えるなら、剣道修行に於いては「事理一致」の修行であるべきで、
「事(技術)」の修行に偏ることなく「理(心)」の修行と歩みを一にして取り組むことが必要だと思う。
文武両道であるべきだ。

剣道の理念にあるように、剣道が「剣の理法の修練による人間形成の道」であるならば、なおさら、剣の理法の修得には、理行両面から取り組むべきであろう。

段位を持つ剣道人としては、それぞれの段位にふさわしい理法を身につけているという意味合いの中でも、段位にふさわしい教養が必要であると思う。

打つことや、勝つことばかりを重んじ、理(心)を軽んずる剣道にしないためにも、まずは自分から、事理一致の修行を実践しようと思う。


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